第230号 高村光太郎 『道程』

 

 先日、8月17日と18日の2日間、東北自動車道を南下して、途中から山形県に入り日本海沿岸から、北上。秋田県の海側に林立している風車さんの地域をすべて「1兆馬力」にしてまいりました。

 先日、秋田市から新潟市へ行くときに、日本海沿岸を走る列車から確認したマイナス波動が気になっていましたので、それを陸地側からやっつけようとの目的でした。

 設置した場所は、あやまたず「プラス1兆馬力」になります。

 そこから走りながら、時々確認します。

 「おお、まだプラス1兆馬力だぞ」

 「おや、少し下がったな。もう少し走ったら、次のPAに設置しよう」

こんな調子で、一人旅を楽しみました。

 

二日目に秋田市を出発して青森県境の能代南インターで下りて、風車群の見える地域へ行って、山あいの小さな墓地を見つけて、あるお墓の裏に回り、

「ここの場所を,少し貸して頂戴ね」

と親しげにお墓に語り掛けながら設置した時には「マイナス1000億馬力」から、いきなり「プラス1兆馬力」に跳ね上がり、いつもの事だとわかっていながら、思わず「おお、すげえ」と声を出していました。

 

その場から、再び能代南インターへ戻り、一路青森へ向かっていた時に、ふいに、その昔、中学校国語教師時代に教科書に出ていた、詩人・高村光太郎の『道程』という詩の最初の二行が、浮かんできたのでした。

 

道 程          高村光太郎

 

 僕の前に道はない

 僕の後ろに道は出来る

 ああ、自然よ

 父よ

 僕を独り立ちにさせた広大な父よ

 僕から目を離さないで守ることをせよ

 常に父の気魄を僕に充たせよ

 この遠い道程のため

 この遠い道道程のため

 

 

「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」

思い出してみると、私の今までの人生78年の間に、何度も何度もこの詩に勇気づけられてきたように思います。

しかし今は、頭の中や心の中の世界ではなく、現実世界の中の出来事なんだよなあという感慨でした。

 

「北海乙女」さんの札幌市内も、時々風景写真を送ってくれるのですが、そのすべての写真が「プラス1兆馬力」になっています。

全国各地から送られてくる『風車さん、ありがとうございます』の設置後の写真も、すべてが、「1兆馬力」になっています。

いわば、「僕の後ろに、1兆馬力の道が出来た」と言っても過言ではないのだよなあ、という思いがあります。

といって、おかしいほどに、高揚感はありません。

それが当然なのだという、この心の働きは、「所詮私は、天の将棋の駒の一つだからなあ」という思いがあるからかもしれません。

そして、さらに「これからまだ、作らなければならない道の膨大さ、大変さ」を知っているからかもしれません。

幸いなことに、新しい仲間が次々と増えてきています。

 

日本列島を、縄文時代のように、江戸時代のように、軽やかな、まあるい社会に戻すために、気張ることなく、一緒に楽しみながら、やっていきましょうよ。

 

 

ところで。

前号に、22日に地元で勉強会をやることを書きましたら「詳しい日程を教えてください」という「変わり者」からメールがありました。

さらに「変わり者」が増えることを期待しています。 

 

 ありがとうございます。

 

 2021年8月19日